全国こども科学映像祭受賞作品

(103)H28年度第15回審査委員会特別賞『海の掃除機 アサリの力 PART7』

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再生時間:10分

制作年度:2016年

概要

【ねらい】
 愛知県の2つの半島に抱えられるような位置にある三河湾。愛知県民にとってとても身近な海ですが、お世辞にもきれいな海とは言えません。昨年度までの6年間、僕は三河湾の海水をきれいにするため、三河湾で獲れるアサリの海水浄化能力に注目し、研究を続けてきました。その中で、アサリの活性が上がる条件は明らかになったものの、海水がろ過される過程では、アサリ自身の代謝が水質に悪影響を及ぼすことも分りました。
 今年は、中学校生活最後の年でもあり、この問題に自分なりの「答え」を出そうと研究に取り組みました。この作品では、その「答え」を示し、研究の総括としたいと思います。

【内容】
 「アサリによる海水浄化」をテーマに続けてきた、これまでの6年間の研究。アサリの海水ろ過能力が上がる条件として「水温は30℃」「塩分濃度は3%」「暗い場所」というものが明らかになった。しかし、アサリが海水をろ過する過程では、アサリ自身の代謝により、海水の水質、特にpH値が低下することも分った。その対応策として、サンゴ砂から溶出する炭酸カルシウムの効果に期待したものの、よい結果が得られなかった。ただ、砂があることで、アサリの活性が上がることが新たに明らかになった。
 7年目となる今年は、アサリと同様三河湾でよく見られるアマモに目を付けた。アマモの光合成で水中の二酸化炭素が消費されることにより、海水の酸性化が防げるのではないかと考えたからだ。結果は良好。アサリとアマモを併用することで、アサリの代謝によるpH値の低下を防ぎつつ、効率よく海水をろ過させることに成功した。三河湾で普通に見られるアサリとアマモの併用は、三河湾に新たな生物を持ち込む必要がなく、環境へのインパクトが少ないと考えられる。

【入賞コメント】
 この度は素晴らしい賞をいただき、ありがとうございました。ぼくは小学校3年生から、アサリによる海水浄化の研究に取り組んできました。懸濁物食者であるアサリの海水ろ過能力は非常に大きいのですが、代謝による水質への影響にも無視できないものがあります。今回の作品作りを通して、そのことに対するぼくなりの提案をすることができたと思います。この7年間に渡る研究では、予想通りの実験結果が出ることもあれば、うまく行かないこともありました。しかし、それらの全てが、大変貴重な経験になりました。そんなぼくにとって、この作品は、7年間の研究結果をまとめた、いわば集大成のようなものです。今後も、より科学的な視点から、この研究を続けていきたいと考えています。

出演者名・所属機関名および協力機関名

制作者:玉井大喜
学校名:那覇市立曙小学校2年(沖縄県)