音楽と科学

(1)音楽専門ホールにおける残響音とは?

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再生時間:29分

制作年度:2001年

概要

響きとは室内(正確には地面や障害物、建築物がある限り屋外でも…)において必ず起こる現象です。普段あまり意識していませんが実は私たちはあらゆる音(自分の発する声も)をこの響きも含めて耳にしているのです。残響とは字の通り室内で発せられた音が響きとなって残る現象です。この現象は音楽演奏にとって非常に重要なものとなってきます。そもそも民族音楽や私たちの馴染みのある邦楽(能楽など)は屋外で演奏されてきました。そういう音楽的観点から見ると、残響とはあまり縁がなかったのでしょうか?現在のいわゆる音楽専門ホールは実はヨーロッパを中心とする教会音楽から始まったようです。中世ヨーロッパにおいて、教会内ではパイプオルガンの演奏や、合唱などが行われていました。そこで耳にしているいる演奏音などはその楽器から出る音プラス残響音なのです。教会の形状次第で様々な残響が起こります。より美しい響きを求めて時代と共に人々はその残響を考慮に入れて教会を建築するようになります。そこから派生したのが音楽専門ホールになる訳です。時代によって音楽の流れがある様に、それに合わせる様にその演奏にあった残響が出るように専門ホールが建築されていきました。最適な残響時間は現代においては科学的分析の元で検証されてきました。普段音楽専門ホールで行われているオーケストラのコンサートなどではこういった残響が考慮されているわけです。もちろんこれは聴く側だけでなく、演奏者も同様に残響を意識しているわけです。たとえば、同じオーケストラ編成で同じ曲を演奏したとしても、どこのホールで演奏するかで残響が変わってくるわけです。また、音とはあらゆるものに反射するわけですからそのホールに来ている観客にも反射します。正確にはホールにどれくらい観客が入っているか?ということでも残響は変化してきます。そういった点は普段私たちはあまり意識していませんが、今後は心地良い音楽を鑑賞する際はそういった響きも意識しながら演奏などを聴くとまた違った楽しみ方が出来るのではないしょうか?

出演者名・所属機関名および協力機関名

花房千恵美 (司会),溝口武俊 (コメンテーター)(武蔵野音楽大学教授)